夫婦別姓はできない!夫婦同姓は合憲と最高裁が判決。国民の声は?

最高裁は、民法の規定に男女間の形式的な不平等はなく、夫婦別姓の問題は国会(立法)で解決するべきだとの考えを示しました。
最高裁の裁判官のうち民法に定める夫婦別姓禁止の規定を合憲と判断したのは10人で5人が違憲と判断。3人の女性裁判官は、全員違憲と判断しました。
第750条
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
国民は夫婦別姓をどう考えているのでしょうか。
平成24年に国が実施した調査によると、結婚した夫婦が姓を自由に選ぶことができる「選択的夫婦別氏制度」を導入してもよいと答えた人は、調査対象者全体の35.5%でした。一方、結婚した夫婦が同じ性を名乗る今の法律を変える必要はないと答えた人は、全体の36.4%でした。
国の調査結果をみると、夫婦別姓に賛成する人と反対の人は半々だったのですね。
夫婦同姓制度で困っている事実婚の女性たち
日本では、結婚すると夫か妻どちらかの姓を名乗らなければいけません。しかし現状は圧倒的に夫の姓を名乗る夫婦が多いため、女性は結婚すると夫の姓を名乗るのが普通だと自動的に考えてしまう方が多いですし、男性も女性が姓を変えるのが普通だと思っている方が多いのではないでしょうか。法律では、夫婦どちらかの姓を名乗ると決められていても、実際には結婚すると男性の姓を名乗るのが常識的な風習があれば、仕事や家の事情で姓を変えたくない女性にとって、我慢して結婚しても生きづらくなるだけなので、籍を入れずに普通の夫婦のような事実婚を選らばざるを得ない現実があるのです。
離婚後の妻や子供にも影響する
例えば、結婚して夫の姓を名乗った妻が子どもを連れて離婚をした場合、旧姓に戻るか結婚後の今の姓を名乗るか選択できます。円満離婚で今の姓が気に入っているならまだしも、DVやモラハラ、浮気やギャンブル、お金を渡さないなど、夫との結婚生活で嫌な思いをした女性は、旧姓に戻りたいと思うのが当然です。でも、旧姓に戻った場合、免許証の書き換えなど役所や銀行など手続きがたくさんある上、仕事に影響する女性もいるんですね。また自分は旧姓に戻りたいのに子どものことを考えると旧姓に戻ることができない女性もいます。
夫婦別姓であれば、離婚後に女性や子どもが姓のことで悩まない、損をしないことを回避できるのではないでしょうか。
最後に
今回の判決で最高裁判所は、「性の変更でアイデンティティーの喪失感を抱いたり、社会的信用や評価の維持が難しくなったりするなどの不利益を受けるのは女性が圧倒的に多い」と、今の夫婦同姓制度は多くの女性が嫌な思いをしている現実を認めています。また現実問題として、離婚後、多くの女性が旧姓に戻るか悩んだり、子どもたちにまで影響を与えている事実があるんですね。
今は夫婦同姓が普通のため、夫婦が違う姓を名乗ること、一方の親と子供が違う姓になってしまったらどんな夫婦関係になるのか、どんな親子関係になるのか、どんな家族・親族になるのか、正直私もわかりませんし、多少不安もあります。
しかし、民法は明治時代につくられた法律です。今の時代に合っているのか、もう一度時間をかけて考えていく必要があると私は思いますね。