養育費を払わなかったらどうなる?

養育費をちゃんと払ってますか?
もし相手が養育費を払わなかったら、もし養育費を払わなかったらどうなる? 財産を差押える? 遡って払ってもらえる? 何もできない?
養育費の取り決め方によって、相手に対して何ができるか違ってくるので、離婚の前にしっかり押さえておきましょう。
養育費の取決めが口約束と離婚協議書の場合
養育費の取り決めが口約束の場合と離婚協議書(公正証書にしていない契約書)は、残念ですが財産を差押えることができません。相手が養育費を払ってくれないとか、支払いが止まってしまった場合は、自力で払ってもらうしか方法がないんですね。口約束と離婚協議書の請求方法
- 相手のところへ行って直接話し合う
- メールや手紙・内容証明を送って請求をする
- 家庭裁判所に養育費の調停を申し立てる
この3つの方法でしか支払ってもらうことができません。ですから、口約束や離婚協議書は約束を守ってもらえなかった時何の保証もないのです。
信用できない相手の場合は、絶対に口約束や離婚協議書だけで取決めをしない方が無難といえるでしょう。
公正証書で約束をしていた場合
養育費の取り決めを公正証書で約束していた場合、その公正証書が強制執行を認める内容になっていれば、相手の給与や財産を差押えることができます。公正証書の請求方法
- 相手のところへ行って直接話し合う
- メールや手紙・内容証明を送って請求をする
- 財産を差押える
- 家庭裁判所に養育費の調停を申し立てる
この4つの方法がありますが、相手にも事情があると思いますので、いきなり財産を差押えるよりも、まずはメールや手紙・内容証明などで催促した方がいいでしょう。
調停や審判・裁判で決定していた場合
家庭裁判所の調停や審判・裁判で決定していた場合は、口約束や公正証書とちがい、履行勧告や履行命令という家庭裁判所の便利な制度を利用することができます。家庭裁判所で決定していた場合の請求方法
- 相手のところへ行って直接話し合う
- メールや手紙・内容証明を送って請求をする
- 家庭裁判所へ行き履行勧告をしてもらう
- 家庭裁判所へ行き履行命令をしてもらう
- 財産を差押える
家庭裁判所の調停や審判で養育費が決まった場合は、このように5つの方法で養育費の支払いを請求することができます。口約束や離婚協議書、そして公正証書ではできない、履行勧告と履行命令という制度が利用できるようになるんですね。
※履行勧告・履行命令とは、家庭裁判所の調停や審判で決まったことについて相手が約束を破った場合、家庭裁判所が相手に「約束を守ってください」と連絡をしてくれる制度です。履行命令は家庭裁判所に呼び出されて事情聴取されます。
過去の未払い分も払ってもらえる
私のお客様は、離婚のときに養育費を口約束で決めたところ、すぐに支払いが止まり、その後3年間支払ってもらえませんでした。電話をしてもメールを送っても無視をされ続けたので、養育費の調停を申し立て、3年分の未払い分も合わせて請求したところ、過去の分として300万円を支払ってもらうことができ、さらに毎月の養育費もしっかり払ってもらえるようになったのです。
今の日本の法律では、養育費は確実に払わなければならないし、健康で行方不明でなければ確実に払わされるんですね。
しかも未払いの期間があったときは、遡って払ってもらうことができるのですから、支払う側の立場で考えても、始めにきちんと約束をして払っておいた方がいいといえるではないでしょうか。