離婚裁判の流れと押さえておきたいポイント

今日は、離婚の裁判の流れとポイントについて書きたいと思います。
今日もよろしくお願いします^^。
いきなり離婚裁判はできない?
まず、日本はアメリカやヨーロッパと違って、協議離婚(お互いで話し合って決める離婚のこと)という制度があります。日本の家庭裁判所も、夫婦間の問題はお互いで話し合って解決することが望ましいという考えなので、お互いで話し合って、それでも決まらなかったら離婚調停をして、調停で不成立になったとき(合意できなかった)、やっと離婚の裁判をすることができるんですね。
最初にすること
離婚の裁判を起こしたい人は、夫か妻の住所地にある管轄の家庭裁判所に、”訴状”という書面を提出しなければなりません。訴状には、離婚の判決をしてほしいことや、親権や養育費、慰謝料などについて相手に要求すること(請求の趣旨といいます)と、その理由(請求の原因といいます)を書き、調停が不成立になったことを証明する「調停不調証明書」を添付したり、必要に応じて証拠書類や陳述書などを添付して提出します。
また、訴状には収入印紙を貼らないといけません。
収入印紙の金額は、離婚の請求のみだと13,000円、財産分与の請求をすると1,200円をプラス。
養育費の請求をすると子ども1人につき1,200円をプラス、慰謝料を請求する場合は、請求金額により算出します(例:300万円の場合20,000円)。
離婚裁判を起こした人は何て呼ばれるのでしょうか?
テレビや映画なので、裁判のシーンを見たことある人は、知っているかもしれませんが、離婚の裁判では、裁判を起こした人を「原告」といい、裁判を起こされた人を「被告」といいます。私のお客様が裁判を起こされたときに、「私は悪いことしていないのになんで被告なの?」と言っていましたが、被告=悪い人ではなく、「訴えを受けた人」という意味なので、間違えないようにして下さいね。
裁判を起こすと相手は何をするのでしょうか?
原告が裁判を起こすと、被告(裁判を起こされた方)に、訴状と裁判期日の呼び出し状が届きます。被告は、訴状に書いてあることに対して、自分の言い分、反論、主張を答弁書という書類にして、裁判所に提出しなければなりません(郵送でもOK)。
ちなみに、答弁書を出さなかった場合、原告の主張を受け入れるということになってしまいますので、答弁書は必ず出した方がいいでしょう。
第一回目の口頭弁論
原告が訴状を出し、それに対して被告が答弁書を出したあと、第一回目の口頭弁論を迎えることになります。口頭弁論では、双方が自分の言い分を主張したりすることになりますが、基本的には、準備書面という書類で事前に主張し、必要に応じて証拠を提出して争うことになるんですね。
ただ、主張をするだけでは裁判官も信用することができないので、証拠がないと立証することが難しいのです。
その後は、争点(争っている点)を整理しながら、双方が主張し、証拠を出して何度か口頭弁論を繰り返していきます。
審理が終了すると判決がでます。
口頭弁論を何度か繰り返し、本人尋問(原告・被告ともに相手の弁護士や裁判官から質問される)が行われると、裁判の手続きは終了となり、約1ヵ月後に判決が言い渡されることになります。ポイント裁判所の判決に納得できないとき
裁判所の判決に納得できないときは、(不服といいます)判決書を受け取った日から2週間以内に高等裁判所に控訴することができます。
控訴をすると高等裁判所で裁判をやり直すことになり、控訴しなかった場合は、判決が確定することになります。
裁判で離婚が決まっても離婚届を提出するのでしょうか?
裁判で離婚が決まっても、離婚届は提出しなければなりません。判決が確定した日から10日以内に、判決書謄本と判決確定書を持って市区町村役場に離婚届を提出してやっと離婚が成立するんですね。
まとめ
離婚裁判は、調停までのような「話し合い」というスタイルではなく、お互いに主張をし合って、時には相手の悪いところをついて、証拠をだして、勝つか負けるかの泥沼の戦いになることが多いものです。離婚の裁判の多くが、判決が出る前に和解といって双方が調停のように話し合って、最終的には和解の手続きで離婚するか、しないかなどが決まっているので、実際には裁判官が判決を出して離婚が決定することは少ないといえます。
裁判は時間も費用も、そしてなにより精神的に疲れることが多いと思います。
ただ、裁判になる夫婦は日本の離婚のたった1%程度なので、離婚を考え始めたときや協議の段階のときは、裁判のことを考えるより、徹底的に話し合うことが大切だといえるでしょう。